日本弁理士会主催研修会”知的財産を活用した経営戦略のススメ”について

東京知的財産コンサルティング事務所 (Tokyo IP Consulting) 代表の渡辺浩司弁理士 (Koji Watanabe, Mr.) が、2024年1月25日に日本弁理士会主催の弁理士向け研修において講演を行いました。講演のタイトルは”知的財産を活用した経営戦略のススメ”です。

旧来、知財戦略は知財権の数が重要と言われていました。しかし昨今、知財権の質も同様に重要であるという意見も多く、数と量を両立させる知財戦略の重要性が叫ばれています。

例えば、企業が知財権を取得する場合、数の観点から知財権がどの程度対象とする事業をカバーしているかを検討することが重要です。一方で、1件1件の知財権がどの程度売上の成長や利益の成長に結びついているかを検討することも重要です。ここで、競合他社にとって魅力的な事業をカバーする知財権は、より高い収益を上げる知財権と言えます。よって、価値評価により、より高い経済的価値を有すると評価される知財権が重要とも言えます。そして、知財価値評価の基本概念に沿って知財戦略を立案することの重要性も示唆されます。こういった観念から、会計的な観点からみた知財戦略について説明したのが本講演になります。

日経平均構成BtoC食品企業の分析。特許権の件数が多い方が売上高営業利益率が高まる。
一般消費者向け食品事業が売上の過半を占める日経平均構成食品企業では、特許権の件数と売上高営業利益率には統計上有意な正の相関関係が見られる (プレゼンテーションスライドのスクリーンショット)

さらに、昨今のコーポレート・ガバナンス・コード(CGC)の改訂において、投資家に知財戦略をわかりやすく説明していくことの必要性が指摘されています。このような状況下で、中小企業をはじめとする各社も、資金調達に知財権をより活用しやすくするための戦略を、知財戦略に取り込んでいくことが今後ますます重要になってきます。例えば、知財戦略の見える化を促進していくことがその一例として挙げられます。

知財戦略・知財権取得プロセスにおける工夫をプロセスイノベーションに繋げ、知財権取得による利益の最大化を目指す。
AIの活用をはじめとしたプロセスイノベーションにより知財権取得による利益が最大化されれば、知財業界自体の活性化が促されうる (プレゼンテーションスライドのスクリーンショット)

本講演の内容をつうじて、個々の弁理士が、クライアントである企業のみなさまの経営改善に貢献し、知財業界の活性化を促進する一助となれば幸いです。


本講演の講師について

渡辺浩司 (Koji Watanabe)

Tokyo IP Consulting 代表弁理士。東京大学理学部卒業、同大学院理学系研究科修士課程修了、同博士課程中退。2006年より弁理士。特定侵害訴訟代理業務付記。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。2014年にドイツ連邦共和国 Eisenführ Speiser・大韓民国YOU ME特許法人インターン。複数の大手特許事務所・特許法律事務所に勤務。都内弁理士事務所所長代理。独立行政法人日本貿易振興機構イノベーション・知的財産部出向。外資系設計会社財務・法務担当(役員ポジション)等を経てTokyo IP Consulting設立。


Reference

  1. 渡辺浩司, 「知財価値評価とスタートアップ企業の知財戦略」, 月刊パテント, Vol 73, No. 4, p. 46-51, 日本弁理士会 (2020) [Link][YouTube]
  2. 渡辺浩司, 武井健浩, 「スタートアップの資金調達戦略と知的財産権の役割」, パテントVol 74, No. 1, p. 95-101, 日本弁理士会 (2021) [Link][YouTube]
  3. 渡辺浩司, 武井 健浩 ,「プロセス・イノベーションが上場企業の経営指標に及ぼす影響」, 月刊パテント, Vol. 75, No. 5, p. 78-84, 日本弁理士会 (2021) [Link][YouTube]
  4. 渡辺浩司, 「特許権が企業価値に与える影響と知財情報開示の重要性」, 月刊パテント, Vol. 76, No. 6, p.120-126, 日本弁理士会 (2023) [Link][YouTube]
  5. 日本経済再生本部、「未来投資戦略2018-『Society 5.0』『データ駆動型社会』への変革-」(2018) [Link]
  6. 特許庁,三菱UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社,「平成30 年度中小企業等知財支援施策検討分析事業『中小企業の知的財産活動に関する基本調査』報告書」(2019)[Link]
  7. 知的財産権を利用した経営戦略のススメ, 日本弁理士会研修会, 2024年1月 [Link][Trailer]

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